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2011年8月18日 (木)

被曝の安全基準

福島市の子どもたち10人の尿を検査したら、全員から放射性物質の検出があったと、6月下旬の新聞にあった。

’11.8.22号のアエラでは、埼玉、東京などに住む子どもの尿から放射性物質が検出されたと報じている。

以下、同誌p18からの引用

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文部科学省は、最も検出値の高かった福島の子どもでも「極めて低いレベル」で健康に問題ないとの見解を示しているが、元放射線医学総合研究所主任研究官で医師の崎山比早子さんは、
「検出量が少ないから健康に問題ないと言い切ることはできないのでは。非常に低線量の放射性物質が内分泌器官、神経系、脳など体中に回った時、どういう影響が出るのかまだよくわかっていない。日本ではこれまでに経験がなく、今後子どもたちに何らかの症状が出てきた場合、それが内部被ばくと関係ないと言うことも難しい」
今後は空気中の汚染以上に、土壌汚染などの影響が大きいとされるが、関東でも高濃度の土壌汚染が報告されている。市民団体「放射能防御プロジェクト」が東京や千葉、埼玉、茨木など首都圏の約130ヵ所で土壌を調査したところ、30ヵ所以上で、チェルノブイリ原発事故で汚染地域とされた1平方メートルあたり3万7千ベクレルを越える放射性セシウムが検出された。セシウムが最も高かったのは、埼玉県三郷市内の植え込みで91万9100ベクレル。チェルノブイリ原発事故の強制移住の基準を越えた。この他、東京都江戸川区、千葉県松戸市、茨城県取手市にも20万ベクレルを越える地点があり、チェルノブイリであれば移住の権利が認められる。
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今日(2011年8月18日)の朝日新聞の記事。

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「なぜ私たちがつらい目にあうの?」
福島の子ども 永田町で直訴

原発事故以来、ずっと外で遊んでいません---。福島県内の子どもたちが17日、東京・永田町の衆議院第1議員会館で政府の原子力災害対策本部や文部科学省の担当者らに、今の思いを伝えた。
福島県見三春町の橋本伽耶さん(13)は「学校の友達と一緒に避難できるよう、真剣に考えてください」と訴えた。6月に東京都内に避難した。「転校はとても悲しかった。福島原発は東京の電気を作っていたのに、なぜ私たちがつらい目にあうのか分からない」と話す。子どもたちの訴えに、政府側は「最大限努力したい」などの答えを繰り返した。会合後の記者会見では、福島市の小林茉莉子さん(11)は「答えが全然違う」。
出席できない子どもからの手紙約40通も手渡した。「わたしはふつうの子どもを産めますか?何さいまで生きられますか?」「菅そうり大臣へ 原発全部止めてほしいです」などの言葉もあり、橋本さんは「渡した手紙をどう思ったか聞きたい。一番来てほしかったのは総理大臣」。
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上記アエラでは、7月27日の衆議院厚生労働委員会で、参考人として出席した東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授(58)の発言が取り上げられている。

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児玉教授の厚生労働委員会発言要旨
私は満身の怒りを表明します

3月15日午前9時ごろ、茨城県東海村で5マイクロシーベルトという線量を経験し、文部科学省に直ちに通報いたしました。その後、東京で0.5マイクロシーベルトを超える線量が検出され、3月21日には東京で雨が降り、0.2マイクロシーベルトの線量が降下し、今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。
このときに枝野官房長官が差し当たり健康にあまり問題はないということをおっしゃっていましたが、私はそのときに、実際にこれは大変なことになると思いました。
アイソトープセンターで計算すると、熱量では広島原爆の29.6個分相当が漏出しております。ウラン換算では20個分。
さらに恐るべきことには、原爆による放射線の残存量と原発からのそれは、1年たって原爆が1千分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射性汚染物は10分の1程度にしかならない。今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様、原爆数十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したということです。
となると、まずは汚染地で徹底した測定ができるようにしなくてはいけません。われわれが5月下旬に南相馬市を訪れた際には線量計は1台しかなかった。実際は米軍から20台の線量計が来ていましたが、英文の解説書を解読できる人がいなかったのです。
食品検査についても、いまはイメージングベースの測定器というものがあるのに、なぜ政府はお金を出してもっとたくさん作らせようとしないのか。そのようなことがまったく行われていないことに、私は満身の怒りを表明します。
プルトニウムを飲んでも大丈夫と言う東大教授がいると聞いて、私はびっくりしましたが、アルファ線は最も危険な物質です。内部被曝について、先ほどから一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうものは全く意味がありません。ヨウ素131は甲状腺に集まりますが、トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点を見なければ、全身をいくらホールボディースキャンをやっても意味がありません。
疫学的な証明というのは非常に難しくて、全部の事例が終わるまで証明できない。ですからいま、子どもを守るという観点からは、全く違った方法が求められます。補償の問題と線引きの問題と子どもの問題は直ちに分けてください。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。
私は緊急に次のことを提案したいと思います。1番目に、国策として日本が持っている最新鋭の機器で食品、土壌、水を抜本的に改善してください。これは今の日本の科学技術力で可能です。2番目。緊急に、子どもの被曝を減少させるために新しい法律を制定してください。3番目。国策として、土壌汚染を除染する技術のために、民間の力を結集して、現地に除染研究センターを作ってください。
7万人が自宅を離れてさまよっているときに、国会は一体何をやっているのですか。

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大気放出された放射性物質が、土に、水に降り注ぎ、体内にとりこまれている。

岩手、宮城、福島から東京まで、広い範囲で、被曝は避けられない事態になっていて、

しかも福島原発がまだ大気に放射性物質を出し続けているなら、

暫定ではない、長期に使える被曝の安全基準が大至急必要だと思う。

福島の子どもたちに「大丈夫だよ」と言ってあげられる環境と、確かな基準の整備を。

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地震・原発事故」カテゴリの記事

コメント

私たち、今、確実に被爆しているよね・・・とはよく同僚と話します。
でも避けようもないし、めげてばかりもいられないしね。
仙台市には、1000人の子供たちが避難による転入をしているという数も聞きました。
この間、山形にいくために福島を通ったんだけど、人の気配が感じられなくなっていて
車の中にいても、住んでいる人たちの怒りが伝わってくる気がしました。
検査で放射能が検出された子供たちのその後のフォローをどうするのか、どうしたのか
そこも是非報道して欲しいよね。
検査のためだけの検査で、あとは放っておかれたのでは、子供たちが傷つきますよ。

きいろちゃん
検査で放射線があるとわかったら、子どもたちはどんなに
悲しいだろうね。自分の人生が踏みにじられた気持ちになる
だろうね。
正確な情報と心のケアがすぐにでも必要なのに、そのところ
がどうなっているのか、皆目見えてこない。
政府は、国民の暮らしを守るために存在するのに、こんな
状況で「脱原発」を言えない人たちばかりが、総理大臣に
なろうと手をあげているのも、理不尽な気がする!!

M政調会長、原発輸出に積極的に取り組むとの報道を見て驚いています。制御不可能な技術はもはや技術とは言えません。これまで氏の言動には共感するところがありましたが、このひと言で完全に失望しました。やはり、経済至上主義だったのですね。ご存じかもしれませんが、今井 一氏が中心となって「原発国民投票」に向けて活動が始まっています。ここは、今一度国民一人一人が真剣にこの問題と向き合い日本のこれからの進むべき道を考えましょうというものです。原発賛成、反対 どちらの立場でも良い、国民の意思を政治にきちんと届けたい、そんな活動です。一度HP覗いてみて下さい。
http://kokumintohyo.com/
今井氏始め、賛同人のシンポジウムの様子です
http://www.ustream.tv/recorded/16897036


Yukki-さんshine

野田総理も国連で、原発輸出を継続すると演説したようですね。
>制御不可能な技術はもはや技術とは言えません。
本当にその通りだと思います。
福島第一原発からの放射能は、米国にも届いたそうですが、
中国で事故があれば、東にある日本に放射能が届くことは必至
です。
皆、一つの地球という船に乗っているのですから、ひとたび災禍が
起これば制御不能となる危険なものは、どこに売ってもいけないし、
ましてや、放射性廃棄物は10万年も危険であり続けるのですから、
人間のモラルとしても、もう原発からは卒業しなくてはならない。。。
最近、そういう思いを強くしています。
原発国民投票の情報、ありがとうございます。
国民投票は、白か黒かをつけることで、多数意見が少数意見を
封印する面もあることから、ちょっと怖いですが、こんな風に
議員が殆ど原発推進では、らちがあかないですよね。
今井さんの本で、国民投票について少し理解を深めたいです。
シンポの動画も、見せていただきますねup

国民投票の怖さはわからなくもありませんが、ここは日本人が本当の民主主義を学ぶ絶好の機会だと思います。現在の日本における民主主義は、戦争という多大な犠牲を払ったとはいえ、与えられたもの、決して勝ち取ったものではないところにその基盤の弱さがあるのでしょう。
シンポで宮台氏が語っていた、「任せておいて文句を言う。」日本における民主主義の幼稚さを言い表していると思います。まだまだ地に着いた民主主義ではないのです。
所詮、選挙では争点がいくつも並び、なかなか自分たちの意思が正確に反映されないと思います。今回の原発問題、あるいは憲法問題等は、日本の行く末を大きく左右する喫緊のテーマだと思います。
自らの考えををしっかりと確立し、自分なりの結論を出すこと。まさに、自分を主語にした考えをまとめること。そしてその過程こそが本当の民主主義につながるものだと信じています。
国民投票はその意味で格好の手法だと思っています。

Yukki-さんshine
>まだまだ地に着いた民主主義ではないのです。
確かに、そうかもしれないですね。
教科書で、選挙=民主主義と習って以来、そんな
ものかと思ってましたが、選挙で当選した議員が
自分の利益を代弁してくれていると実感することは
残念ながらないですもんねsweat02

ところで先日、井上ひさしさんの「ボローニャ紀行」という
本を読みました。
イタリアでは、中央政府と地方政府がばらばらに
機能していて、地方レベルでは「自分たちの暮らし
は自分たちでルールを決め、守っていく」民主主義
が根付いていることがわかりました。
そのように地方において住民の討議が十分行われる
風土があるからこそ、意図しない中央の動きに
対して国民の意見を示す国民投票が意義をもつの
ではないかというのが、私の感想です。
まず自分の暮らしの方向性を定める地方の政策や
ルール作りに住民の意見を反映させることで
民主主義の実践経験を積むことが、今の日本には
必要なのではないかという気がします。
そしてその萌芽は、いま、原発という問題に絡んで
生まれてきているのではないでしょうか。つまり、
地方議会レベルでの、原発反対、あるいは賛成の決議
が続いています。それと、名古屋市などの自治体が
大手電力会社以外から電気を買う動きも起きています。
(電力については、大手電力会社への反対表明という
よりも、予算逼迫の中での節約という意味合いが大きい
ようですが^^;)

現在のシステムに対する私たちの意思を、
「国民」というよりもむしろ、「住民」の声として地方政府に
届けていく、もっとわかりやすくて誰でも参加できる制度が
必要だと思います。そして、その土台のうえに、国民投票
が来るのであれば、わたしは国民投票に賛成です。

mikatyさん言われるように、原発問題は個人の意識をどの様に発信するのか絶好の題材だと思います。今日も福島から250キロ離れた神奈川県で放射性物質が発見されたとニュースは報じていました。浜岡、敦賀をその圏内に含む我々の地方も決して他人ごとではありません。原発は不特定多数の人の生活、命を脅かす凶器として現存する一方でその利権にすがりつく人、組織も残念ながら存在しているのです。その意味で、牧の原市議会が多数決で浜岡原発永久停止の議決をしたことは、mikatyさん言われるように住民の声が地方政府に届いている一つの事例としてあげられると思います。その土壌の上に国民投票をというのは全く同感ですが、・・・民主主義は時間がかかるのは理解しているつもりですが、この年になってくると・・・ついつい結論を急ぎたくなるのです

yukki-さん

放射性物質は、埼玉、東京、神奈川など関東圏にも
広く降り注いだ模様ですね。
関東圏の子どもたちの尿からセシウムが検出されて
いるようですが、福島の子どもたちはなおさら厳しい
現実に直面しています。

その福島の米が100%安全だと言う調査結果が、今日
発表されました。
が、使われた基準はやっぱり「暫定基準」で、1kgあたり
500ベクレルという数字です。
この数字が、子どもや妊婦、そして病弱な人たちにとって
どういう意味を持つ数字なのか、困ったことに、誰も
教えてはくれません。

先日<被ばくの安全基準その2>という私のブログ記事で、
名古屋の大西先生の取り組みの記事を紹介しましたが、
大西先生のグループでは、毎日食べる米の基準値を
30ベクレルとしていました。

福島のお米の中に、30ベクレルを越えるお米はあったとのこと。
それを、「安全」と言い切ってしまって本当に良いのか、
私でさえ疑問なのですから、小さい子どもを持つ親や妊婦さんは
ヒステリックになるほど心配していてもおかしくないと思います。

大事なのは、国民の毎日の生活がちゃんと守れるよう、
信頼のおける判断基準を早く示すこと。それができない政府は、
政府として仰ぐ価値がない。

そして、こんな問題を国民に押し付けるしかないなら、原発はもう
無理なのですから、あきらめないのは本当にどうかしています。

今日機会があって 河田昌東氏 の講演を聞いてきました。チェルノブイリ原発事故以降、現地において調査から支援を今日まで、根強く進めてこられた方です。この経験から今回の福島の事象を細かく分析し、その本質を多くの方面で発信してこられた方です。目から鱗の思いでした。男の性とでも言うのでしょうか、即物的に外部被爆の危険性にばかり目が行っていたのですが、氏の話を聞くにつれ、内部被爆の恐ろしさに改めて今回の事故のもつ深刻さを痛感しました。mikatyさんの女性視点は、さすがです。これからおそらく最低30年、いやひょっとすると100年かかる後始末に、僕らの子供、孫、ひ孫になんと詫びたらいいのでしょうか。食物、環境から彼らの体内に積される放射能汚染を如何に少なくするか。この点に、ずっと論点を充てていたmikatyさんに敬意を覚えます。ご紹介する、動画でほぼ同じ内容のお話をされていましたので、時間がありましたら一度見て下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=5D_-_3l6c-U

Yukki-さんnote

情報ありがとうございます。
放射能は見えないから、つい「ないもの」と思いがちですが、
私たちに見えないだけで、人間の想像を超えるほど長く存在
して、生物を壊してしまう。
来年末頃には、魚の生態濃縮の影響もでるのではと言われて
います。それを食べる人間にも警鐘が必要ですが、小さい魚
を食べて生きる海の生き物に広く影響を与えてしまうのは、
本当に罪深いことだと思います。
外部被ばくも、軽視できない問題です。
除染して出る大量の土をどう保管するかも決まらない。
東北では各学校のグラウンドの片隅に、ブルーシートで
封印した土砂が埋められれていると、いつかTVのニュースで
伝えていました。
あちこちに少量ずつ仮置きされている除染土、いつかその土の
存在が曖昧になり、あちこちで管理されずに放置されるように
なるのではと心配です。
私の子どもが老後を迎えたときも、その子どもが老後を迎えた
ときも、この問題は消えることがありません。
日本では新規建築ができないから、ベトナムへの原発輸出は
規定通り続けるだなんて、どんな倫理観をしているのかと思います。
原発の問題は、損得の枠組みで考えてはいけない。そう思います。
ご紹介いただいたビデオ、見せていただきますねshine

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