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2013年10月18日 (金)

お母さんになった日

何年も前に流産した子。

この夏、ちょうど思いだすことができて、7回忌のお弔いに間に合った。

その子のお位牌について、月命日に来て下さるお寺さんが力を貸してくれた。

当初、お位牌には「水子」と書いてもらおうと思っていたけれど、教えていただ
いたところによると、浄土真宗では「水子」という言葉はあまり使わないのだそう。

「流産した子もご縁のあった命。一つの命には違いないですから、その子に
名前をつけて、それを法名にする例はありますよ」と、わざわざ言いに来てくれた。

え、生まれてこなかった胎児に名前をつけるの?

最初、私はびっくり仰天。
そんな発想は全然なかった。
しかも、我が家の場合は、流産してもう6年も経っている。

「夫と少し相談させて下さい」
そう言うのが精いっぱい。

サトさんも、さぞかし驚くだろうと思いきや、
「確かに、一つの命だよ。せっかくそう言ってもらったし、名前をつけようよ」

あれ?何の抵抗も違和感もないんだ!

「”ゆめ”という名前はどう?」
サトさんが、提案してくれた。

ゆめ

まさか、と思った。
生まれてこなかった命。6年間も何のお弔いもせずに、忘れていた命。
その命に、名前をつけるなんて。

何か変な感じ。

まだ人間の形にもなっていなかった子だよ。
ポクポクポクと心臓を打っていた様子を2回見た。それだけだったんだよ。

でも、名前をつけるんだ。

ゆめ

目をつぶって、瞑想してみる。
瞑想なんて、やり方もわからない。
でも、やってみる。

流れてしまったあの子のことを思ってみる。

そして、
「名前をつけてあげるね」って、言ってみる。

途端に、涙がこみあげた。

名前をつけた瞬間、水子は、私の「子」になったんだ。

会うことができなかった、父さんと母さんからのプレゼント。

優芽(ゆめ)

この名前、気に入ってくれるかな。

優芽、今日はね、あなたにもう一つプレゼントがあったんだよ。

それは、法名。

お寺さんが、白木に書いて、持ってきてくれたの。

「釈優照」

優しく照らす。

こちらの世界では、親子として会うことができなかったけれど、
あなたは確かにポクポクと心臓を打ち、9週間生きた。

9週間生きたあなたは、確かに私の子ですよ。

あなたは、こちらの世界の名前とそちらの世界の名前をもらって、
今日、我が家の仏壇に入りました。
オオ父さんやオオ母さん、おばあちゃんやもっと上のおばあちゃん
達も一緒で、にぎやかでしょ。

優芽、6年間もの間、ごめんね。
あなたがあなたのことを思い出させてくれて、お寺さんが気持ちよく
力を貸してくれたおかげで、母さんの気持ちも、とっても落ち着きました。

優芽、ありがとう。
これからの父さんと母さんを、どうかそちらから見ていてね。

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コメント

私も涙がこみ上げてきました・・・よかった。

妻わさびさんnote
すごく不思議ななのですが、生まれてこなかった
子のことを思い出して、今回ちゃんと家族として迎え
られたことで、私自身が見えない何かから解放されて
すごくすっきりした気持ちです。
胎児でも一つの命として温かく扱ってくれるお寺さんに
ご縁があったことに、深く感謝していますconfidentheart01

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